印象に残るプランニング エピソード(2) 幼馴染のウエディング
なんと生まれた病院も一緒で、高校までずっと同じという幼馴染のおふたり。そんなドラマのようなおふたりと創り上げたのが、【Back to School】子供の頃に戻ろう、をテーマにした結婚式。
おふたりがそれまで過ごしてきた場所、空間をみんなに見てもらい、おふたりのこれまでをゲストに一緒にたどってもらう時間を創りました。撮影当日は、小さい頃食べていたお弁当をお母様に作ってもらい、生まれた病院から小学校、中学校、高校と、ビデオカメラを持って一緒に撮影。教室でお弁当を食べたり、一緒に遊んだ糸電話を作ってみたりしていただいたりし、その映像をオープニングVTRにして、「誰もが持っている幼い頃の温かい思い出を思い出すように披露宴を楽しんでもらいたい」、という想いを込めた結婚式にしました。会場内には映像とリンクさせ、昔の黒電話を置いたり昔の新聞を置いたりして、懐かしのアイテムで年輩の方々にも楽しんで頂きました。
とても想いの伝わる一日になりましたが実はおふたりは当初、結婚式には消極的だったんです。それは新郎のお父様が自営業を営まれていて、新郎様はその後を継がれていることもあり、お招きするゲストの顔ぶれがご自身は面識のない仕事関係の方がほとんどだったから。義務感で結婚式を挙げる、という気持ちが強かったんです。
それもあり私はあえて、おふたりのこれまでを一緒にたどってもらうという時間を創りました。なぜみんなにおふたりの過去を見てもらったのか。それは、ゲスト全員がおふたりと一緒の時間を過ごした気持ちになってもらうことで、おふたりの未来とゲストの未来が繋がる、と思ったからです。病院で産声を上げたふたり、小学校に入学したふたり、おふたりのこれまでを共有することで、きっとこれからお父様の背中を追いかけて仕事を継いだ新郎様のことを、我が子のように温かく見守ってくれるだろう。新婦様も家に入り家業を手伝うことになっていたので、きっと仕事上も気にかけて、可愛がってくれるようになるだろう。そんな関係性を構築したいと考えたからです。
おふたりに一番伝えたかったことは、結婚式は「おふたりが歩いていく人生を、これだけ多くの人たちが見守ってくれているんだ」ということ。この結婚式を通して、面識のない、ただの仕事関係の招待客だった皆様はみんな、おふたりの決意を承認し応援してくれる人生で必要な人となったのです。ただのお披露目、義務でやるものではなく、おふたりの将来を幸せにするために、未来につながる時間にしたい。そんな想いで創り上げた1日でした。