印象に残るプランニング
アマンダンセイルでは、クライマックスの新郎謝辞のタイミングで花火を打ち上げるという演出があります。この花火の演出をしたいというご希望のおふたり。
お子様がいらっしゃり、物事に対するしっかりとした価値観をお持ちだったため、こだわりたいところとそうではないところが明確なおふたりでしたが、会場のご見学段階からこの花火の演出だけは絶対に行いたいとおっしゃっていました。
お打合せが進み、花火の演出をいつものようにクライマックスのタイミングをご提案したところ、おふたりは「あ、そうなんですね」というお返事で、何かが気になっている表情をされているように感じました。花火を打ち上げるタイミングに何か違和感を覚えていらっしゃるように見えたため、進行を見返しながら考え直すことに。
そうすると、おふたりのご希望で歓談中心の進行を組んでいる中、おふたりからゲストへ向けた演出を行う瞬間が、披露宴のクライマックスまでないことが気になっていらっしゃるのではないか、と気が付きました。そこで、「大切にされている花火だからこそ、一番盛り上がり、そしてゲストが一番注目してくれる瞬間をもう一度一緒に考えましょう」とお伝えしたところ、おふたりはとても嬉しそうな表情に。そして納得するまで話し合った結果、ケーキ入刀の際に花火を上げることになりました。
ケーキ入刀のタイミングは、披露宴の中盤でゲストの緊張もほぐれる頃、おふたりの周りに多くのゲストが集まりカメラを構える瞬間でもあります。またその結婚式は12月だったので日の入りも早く、時間的にもちょうど夕暮れの頃。シャッターチャンスでもあり、背景となる景色もベスト、ケーキ入刀の瞬間には全てが揃っていました。様々な角度から考え、ゲスト全員にとってベストなタイミングをご提案した結果、おふたりはもちろん、ゲストの盛り上がりも最高潮に!式後、ゲストの皆様から「花火がよかった」という声も聞こえてきました。
私はいつもお打合せの際には、おふたりの立場にたって考えながら、さらにプロとしての考えを合わせてご提案することを心掛けています。
いろいろな結婚式をお手伝いさせていただいた経験の中で、ゲストの皆様がどう感じるか、会場の雰囲気と合わせてどんな結婚式になるのかを考え、いつ振り返ってもおふたりとゲストが「最高の結婚式だった」と思えるような空間と時間を生み出せるようにしています。この日のおふたり、ゲストの皆様にとっても、花火の演出が心に残る結婚式になっていたらいいなと思っています。