【ウエディングプランナーとして成長していった
2つのウエディングストーリー ep.2】
新郎新婦は、結婚式そのものをする気はなく、どちらかというと二次会の会場を探していらっしゃいました。
お話をしていく中で、お二人の共通の趣味が「野外フェス」ということが分かりました。
そこに私が「だったら、結婚式風の野外フェスしたらいいんじゃないですか?」という言葉がきっかけでこの結婚式が動き始めました。
「結婚式風の野外フェス」をテーマに掲げ、あくまで野外フェスをメインとした結婚式を作っていきました。
だからと言って、みんなで大騒ぎすればいいだけというものではない。結婚式であることを忘れてしまったら、それはただの学芸会であり、イベントで終わってしまうんです。ウエディングプランナーとして結婚式の本質を見つめ直し、何をしたら結婚式になるのだろうと考えるきっかけになった結婚式でした。
「RISING 松井 SUN」というネーミングは、打ち合わせ中にご新郎さまがふとつぶやいた北海道の有名野外フェスである「RISING SUN」と、ナインティナインの岡村さんが番組内でやっていた企画からヒントを得ました(笑)。
最初は、まず野外フェスがどういうものなのかを知ることから始まりました。そこからお二人にもお話を伺っていき、野外フェスに必要なものがだんだんと見えてきました。
お二人が自由に動き回れるようにしたり、お料理も野外フェスに合わせて屋台風にしたり。さらには物販ブースを設けたり、室内でドローンを飛ばしたりもしました。結果的に新郎新婦のご友人の方アーティストがいらっしゃいましたので(笑)
物販ブースでは、ご新婦さんがヨガのインストラクターをされていたので、ヨガの衣装の販売や雑貨の販売をしました。他にも、司会の方がリフォーム会社をしていたので、家のリフォームを紹介するようなブースを設けたり(笑)。
新郎新婦さまからは、結婚式を手伝っていただいた方たちに、プラスアルファで何かしらのメリットがあるようしたいということをおっしゃっていたので、そのような形になりました。
他にも、もっと野外フェス感を出したくて、マスコミの方にもお声掛けしました。今だから暴露しますが、グッドウエディングアワードでは予算を安くする方法として「パブリシティ」の一環としてマスコミの方を呼んだと言いましたが、実はより野外フェス感を出したかったというのが本音なんです(笑) 野外フェスはカメラの台数がとても多く、常に撮影をしているイメージがあって。私たちの持ってるカメラでもどんなに頑張っても3台ぐらいしか用意できなかったのですが、当日はマスコミのカメラなどがたくさん入ってくれたおかげで合計10台ものカメラが集まりました。
料理に関しても料理長の方にはかなりの無理を申しました。ご新婦さまがヨガをやってる関係で、ゲストの半分くらいがベジタリアンの方だったんです。
通常のバイキングやビュッフェでお出しするとベジタリアンの方たちは召し上がるものが少なくなってしまうので、半分はベジタリアン用、半分は通常のお客さま用で作ってもらいました。
その中でも唯一、結婚式っぽい演出は一番最後のお手紙のシーンでした。最後に「親御さんから一言ずつ子どもたちにメッセージをください」とお願いをしたのですが、ご新婦さまのお母さまがゲストの方たちに向けて「友だちでいてくれてありがとうございます」という言葉がとても印象的でした。
娘さんのいろいろなことを見てきたお母さまだからこそ出た一言だと思うんですけど、それを聞いた瞬間、「これは結婚式だったんだ」とみなさん感じて頂いたんだと思います。