マリーブルーローズ
繁野 将之さん (2/5)
マリーブルーローズ
繁野 将之さん (2/5)

20年間のプランナー人生の中でも初めての経験だった2年間に渡るプランニング

印象に残るプランニング

その方たちと初めてお会いしたのはちょうど2年前、私がお手伝いさせてもらっているホテルのフェアに来ていただいた時です。その時8か月になる赤ちゃんがいらっしゃって、できればこの子が1歳半〜2歳くらいになった時に結婚式をしたいと一番最初にご相談を受けました。

その時点でご自分たちでありとあらゆる会場を廻っていらっしゃって。なかなか自分たちの希望を上手く伝えられなかったり、予算的な部分もあり、その後はお二人と一緒に式場を探すお付き合いになったんです。それから1年くらい経った時に、もうお二人が無理かなと結婚式自体を諦められた時もありました。お子さんの成長の相談もいただいたりしていました。

そして、今年の8月19日に結婚式を挙げることになりました。この2年間何回お二人とお会いしたか分からない。ここまでお付き合いしたのはこれまでのウエディングプランナー人生の中で初めての経験でした。結婚式の際にプロフィールビデオも全部私の方で作らせていただきました。人前挙式だったんですが、リングボーイをお子様にやっていただき、お子様のこの2年間の成長を感じました。それくらい家族みたいに存在になっていました。新郎は普段すごく恥ずかしがり屋で、人前挙式で入場される時から両手両手が一緒に出そうになるくらいすごく緊張されていて。でもその後は元自衛官の方なんですが、お色直しで入ってきた時はちゃんと敬礼もされていました。

最後に新郎挨拶があったんですが、挨拶の後に「ここで御礼をしたい」と手紙を読みだしたんです。よくスタッフの皆さんに宛てて手紙を書かれることはあったりするので、私以外の名前も出てくるかなと思ったんですが、最初に私の名前が読み上げられたっきり、その後は私に対するお手紙になっていたんです。

そのお手紙を下を向きながら聞いていたら近くにいた司会者の方に肩を叩かれました。上を向いてみたらお二人が花束を抱えられていて「山崎さんに」と言ってその花束をプレゼントしてくださったんです。完全に私に対するサプライズで嬉しかったですね。

結婚式までの2年間はまるで家族のようなお付き合いをさせてもらって、結婚式の一番最後にはお手紙まで読んでくださって。そのお手紙は3枚にも渡る長さでした。思わず新郎さんとハグしちゃいました。結婚式に至るまでの2年間、様々なことがあったので感情がいろいろと出てしまいました。

私は新郎新婦さまが最後に読まれるお手紙とかに感情移入してしまって一緒に泣いてしまうことが多いんです。打ち合わせから始まり、すべてのカップルの方たちと時間も共に歩んできているのでどうしても感情移入してしまうんですよね。

いつも辛いのは新郎新婦さまから結婚式後に「これで山崎さんと今までのようにお会いできなくなりますね」と言われること。すごく寂しくなります。

昔は月に何十組もの方たちの担当をしていましたが、気をつけないとどうしても流れ作業になっちゃうんですね。一組一組の新郎新婦さまに対する想いが湧かなくなったら私はウエディングプランナーを辞めようと思ってます。その感情がなくなったらただの作業になってしまうからです。

一番辛いのは司会をやる時なんですよ。しゃべられなくなってしまうからどうやって我慢しようかなって。プランナーの中には淡々とやる方もいて、プランナーが泣いたり感情を出すのは不謹慎だっておっしゃる方もいますけど、私は感情は出してもいいと思います。私は感情がなくなったらウエディングプランナーを辞める時。そう考えると生涯現役な気がします。

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