【印象に残るプランニング ep.2】
ご試食会のブライダルフェアで初めてご来館いただいたおふたり。カウンセリング後、ご試食いただいている間に考え、「育む」というテーマを提案いたしました。このテーマは、長い期間お付き合いされたおふたりが育んできた愛情、おふたりを大切に育てられたご家族、ご友人やお仕事で出会った方々などのお話を伺う中から思いついたアイデアでした。
パーティでは“周りの方々とのご縁を育む”という意味を込め、ゲストの方々と一緒に創り上げる演出をご提案。一番大きな演出はウエディングツリー。といっても木の絵を創り上げるのではなく、絵が得意な新婦様に描いていただいた土台に、ご列席の皆さまがフィンガースタンプを押していくというもの。皆様のスタンプで”育む”というテーマを表現し、一枚の絵を完成させることができました。土台を描いていただく際、新婦様には「おふたりがいろんな方から育まれ、一つの芽が生まれて、そこからまた成長していけるように」というイメージをお伝えしたのですが、出来上がりは私が想像していた以上に豊かで素敵なものでした。
ゲストの方々には“水”の青、“太陽”の黄やオレンジ、ご親族様には“大地”の茶色など、土台となる絵に皆様からフィンガースタンプを押していただき、披露宴の後半で新郎新婦様が“芽”の部分をスタンプすることで「太陽から日差しが降り注ぎ、水を与え、大地に新芽が芽吹く」というストーリーの絵が完成するという演出。ちなみに、司会者とウエディングプランナーの私も“おふたりの周りを飛び回る蝶々”のパーツのフィンガースタンプに参加させていただきました。世界にたった一つの絵が出来上がり、笑顔が絶えない温かい時間となりました。
さらに、おふたりからご両親へプレゼントする花束を「柚子の記念樹」にすることをご提案いたしました。ちょうど結婚式が行われた時期に実る柚子であれば、実るたびにこの日のことを思い出していただけるのではないかと考えたからです。後日、お客様のご自宅に伺う機会がありましたが、結婚式当日青かった実が黄色く色づき「この間、これ食べたんですよ」というお話をちょうだいして、さらには、私もそのゆずをいただいたんです。おふたりの結婚式をそのとき改めて鮮明に感じられて、ゆずの色づいた成長から、おふたりもこんな風に色づいていく(育まれていく)のだろうと思いました。“育む”というテーマはご成約前に提案したものでしたが、結婚式が終わった後もご家族で柚子の樹を大切に育まれている様子に触れ、非常に感慨深かったです。