印象に残るプランニング
【エピソード1】おかえりの場所
お付き合いが長かったこともあり、結婚式については消極的だったおふたり。既に入籍をされていたので、「結婚して何か変わったことはありますか?」と伺ってみると、「帰ってこられる場所ができたのが嬉しい」とおっしゃいました。
お付き合いされている時とは違う、家に帰ってくるのが楽しみな毎日。その気持ちを紐解いていくと、おふたりの周りにはそれまで一緒に過ごしてきた友達、結婚を許してくれた家族の存在があって、結婚したらそれぞれの友達や家族がふたりの友達や家族になる。だから「ただいま」「おかえり」がより嬉しいものになっているんじゃないかと感じました。
家に帰ってきて「おかえり」と温かく迎えてもらえるような、みんなが家族になったような結婚式にしましょうとご提案。おふたりのいいところをクイズ形式でご友人にあげてもらったり、お互いに思っているお互いの印象を当てっこしていただいたりして、それぞれのことをお互いの大切なゲストに知ってもらえる、みんなが本当の家族になったような時間を創りました。
そしてもうひとつ、結婚式の前にご家族の想いを伝えるためのご提案もさせていただきました。ふたりは「家族とは仲がいいですよ」とおっしゃっていたのですが、ずっと二人で暮らしていたのであまりご実家は帰っていなかったそうなんです。
ご両親にご挨拶に伺った時に、「帰ってこないのは実は寂しい。ふたりとも自立して、親の気持ちなんて考えてないんじゃないかな」と本音をおっしゃられたんですよね。
それを聞いて、式当日はお住まいのアパートから式場にくる予定だったおふたりに、「結婚式の前日は、それぞれのご実家に帰って、ご実家から式場にいらしてくださいね」とお伝えしました。ご家族との大切な時間を、式の前日に設けていただきたかったんです。
そして迎えた当日、いかがでした?と新婦様に伺ったら、お母様が本当の気持ちを伝えてくれて、抱きしめてくれたとのこと。「そんなこと思っているなんて気が付かなかった」とおっしゃっていました。
ご家族にとっても大切な「おかえり」の気持ち。その想いを伝えることができた結婚式になりました。